Java Developer Workshop開催!

火曜日 6 21, 2011

Javaの「現在進行形」を体感し、「未来」を掴む一日

Java Developer Workshop開催!
By rika.tokumichi on 6 21, 2011

2011年5月19日、日本オラクル本社セミナールームにて「Java Developer Workshop」が開催されました。本ワークショップは、Java開発者を対象として、Java技術に関する最新情報や応用事例を紹介するものです。
基調講演と5つのセミナーで構成されたワークショップは、デスクトップ/組み込み向けのJavaプラットフォームを中心に、Java SE(Standard Edition)、Java ME(Micro Edition)、Java FXの技術概要と最新情報が事例やデモンストレーションなどを交えながら提示されました。




米国オラクル・コーポレーション Embedded Javaのチーフアーキテクト、Greg Bollella




冒頭の基調講演では、今回のワークショップのために来日した米国オラクル・コーポレーション Embedded JavaのチーフアーキテクトであるGreg Bollellaが登壇。Java SEの過去から現在への変遷、そして未来について語るとともに、Java MEやEmbedded Java分野における新製品と新たな取り組み、そして開発中のツール、未来を見据えた研究開発についての説明と展望を行いました。
その中でも講演の主軸となっていたものが、Java SE 7を取り巻く周辺技術、製品の動向と、含まれる機能群です。
Java ONE等でもすでに発表されてきましたが、Java SE 7のHotspot技術とオラクルのJRockit、2つのJVM技術の統合である「HotRockit」の動向や、Java SE 7の2011年7月28日リリース予定、続くJava SE 8の2012年後半リリースといった、今後のロードマップについて改めて提示されました。

JDK7にて含まれる新機能、機能強化についても、「JVMでの動的型言語のサポート」「Project Coinによる言語仕様の拡張」「ClassLoaderのアップグレード」等の概要のほか、「クロージャの導入」(Project Lambda)、「モジュール化」(Project Jigsaw)等、JDK8にてサポートされる機能についても語られました。
(追加機能の詳細等については、http://openjdk.java.net/projects/jdk7/features/をご参照ください)

その後、従来からのシステムに加え、テレビ、モバイル、キオスク端末など様々な分野でのJava活用の広がりについて言及。その内容を踏まえ、講演の後半では、Java SE for Embedded、Oracle Java ME Embedded Client他、組込Javaの製品動向や活用領域の現状と今後の広がりについて説明が行われました。
実際に組込み型Java SEの実用例として、同技術と温度センサーを組み合わせたデモンストレーションを実施。センサーから得られた情報について、クライアント、サーバにてデータ同期が実施される様子も披露されました。



日本オラクル株式会社、Java Embedded Global Business Unit 佐藤芳樹




続いて、日本オラクル株式会社、Java Embedded Global Business Unit 佐藤芳樹による「Java FX 2.0による次世代アプリケーション開発」と題されたセッションでは、Java FX 2.0の概要と特徴を、サンプルアプリケーションによるデモンストレーションを交えながら紹介。
実際に「ブロック崩し」や「ディスプレイ・シェルフ」等のデモンストレーションや、アニメーション表示を行うためのサンプル・プログラムの紹介も行われ、参加者の注目を集めていました。



日本オラクル株式会社 Sun Middleware Globalization 担当マネジャー 片貝正紀




昼食をはさんだ午後からのセミナーは、日本オラクル株式会社 Sun Middleware Globalization 担当マネジャー 片貝正紀による「NetBeans 7.0 最新バージョン徹底活用」からスタート。
2011年4月リリースされた最新版のNetBeans 7.0について、「JDK7のサポート」「HTML5のサポート」「PHP機能の強化」といった新機能の紹介が行われたほか、NetBeans 7.0のJDK7サポートについて、Javaプラットフォームの追加、切り替え、エディタ、ヒント機能のデモンストレーション等が披露されました。
続く、株式会社日立ソリューションズ エンベデッドパッケージ開発部 グループマネージャの勝田光弘氏による「OSGi概要と最新情報」と題されたセミナーでは、OSGiの概要、最新の動向を解説。OSGi Allianceの標準化活動や仕様動向の変遷から、その特徴や主な機能が紹介されたほか、ホームゲートウェイにおける最新動向と適用例も披露。
ホームゲートウェイとカメラ、温度センター、照明他周辺機器を使った連携デモンストレーションも行われました。

一方、Javaの活用領域で近年注目を集めている「Blu-ray Java」については、ヴィジョネア株式会社 シニアエンジニア 西村平八郎氏による「はじめよう!Blu-ray Javaプログラミング」と題されたセッションが行われ、Blu-ray Javaの基礎知識やAPI概要、そして開発の実践等について、実例を交えながら紹介されました。

最後のセッションとなる、株式会社リコー様による「Java+Ricoh: Create, Share, and Think as one.」では、同社の組込Javaおよび、アプリケーション開発プラットフォーム「Embedded Software Architecture」に対する取り組みを解説、その実例として「Ricoh Developer Program」といったパートナープログラム、そして日本国内の大学生/大学院生を対象に、組み込みJavaプログラミングによるビジネスアプリケーション開発を競うコンテスト「RICOH & Java Developer hallenge」が紹介されました。

後半、同コンテストでグランプリを獲得した、和歌山大学大学院による「手のひらスキャン〜SIAWASE〜 企業内婚活支援システム」のデモンストレーションも実施。複合機のスキャン機能とネットワーク機能を用いて「婚活」を行うというユニークな内容に、参加者の注目が集まっていました。

このように多彩なプログラムによって開催されたJava Developer Workshopですが、現在Javaに起きている技術進化とその実利用例を知るとともに、その未来の展望についても触れることができる一日となったのではないでしょうか。