ソーシャル・ウェブに明日はあるか

(OTN TechBlogの翻訳)

昨日、調査会社ForresterのアナリストであるJeremiah Owyang氏主催の「ソーシャル・ウェブの未来」という座談会にお招きに預かりました。 招待状が届いたのが結構ぎりぎりで、この議題について十分に検討する時間も取れなかったのですが、期待していたよりはるかに実のある時間となりました。

対話式のワークショップとも言えるこのイベントには、「ソーシャル・ウェブ」に従事している方々約40名が出席し、この業界の指針となるにふさわしい内容が盛り込まれていました。 このイベントのはじめに、Jeremiahから参加者に課題が提案されました。

1) ソーシャル・ウェブの将来について、4つの予測を立てる(5年間の展望)
2) 予測が実現するために、問題となる主要な課題を1つ特定する
3) その課題を克服し、予測が実現するためのソリューションを提案する

(このアジェンダを振り返ってみると、ここで使われている「予測」という言葉は、おそらく、参加者の討論によって得られた「成功への要件」と言い換えた方がしっくりくるかもしれません。)

これを受け、複数のフォーカス・グループ(ブランド/作業者、whiteboxベンダー、エンタープライズCRMプロバイダーなど)に分かれてこの内容について論議を重ねました。 以下が、その成果です。

  • 予測1: コミュニティが、マーケティング/戦略、製品開発、サポートのすべての側面において、議論の場に参加するようになる。

    課題: ブランドは文化の移行を管理することが難しい。

    ソリューション: ビジネス・プロジェクトを改善して、増分収益を生み出す。
  • 予測 2: ブランドは、活発なコミュニティに存在し、それを共有する。

    課題: まず、そのコミュニティに価値を提供するために、組織に新しい方向付けをおこなうこと。

    ソリューション: ブランドには、ブランドが存在するコミュニティに価値を提供するために、監視ツール、内部でのトレーニング、一連のプロセスが必要である。

  • 予測3: 業務遂行の目的で、同僚以外の従業員が協力して働くようなワークスタイルが進化する。

    課題: 企業風土内のルールが適応を阻んでいる。

    ソリューション: 内部におけるプロセスの変更にあわせた方針の改善をおこなう。
  • 予測 4: シチュエーションにおいて使い分けができる1つのアイデンティティーについて。

    課題: 業界において、何を使用し、どのように活用するべきかが一致しないため、信用がもてない。

    ソリューション: 予測を立ててはみたものの、選択やイノベーションを促進させるだけの需要が市場にはまだない。


もっとも興味深い見解の1つ(Jeremiahによるもの)に、ブランドは一般的に考えられているよりも、ソーシャル・ウェブの流れに沿って、明らかにはるかに先を進んでいるというものがありました。単にこれは、参加者が選んだものに基づいた人為的な結論と言えるかもしれませんが。もう1つ、興味深い見解がありました。それは、重要かつ難しい要件である「真のポータブル・プロファイル/IDのコンセプト」は、今のところ、現在の市場の状態から言って不可能であると参加者の大多数が思っていることです。 ということは、近い将来、"ソーシャル・ウェブ(social web)"が"ソーシャル・ウェブズ(social webs)"と複数形で使用されるかもしれませんね。(AOLの"walled garden"のことは記憶に残っていると思います。)

それから、IBMが最近、営業員2,000名に"social media awareness"長期集中トレーニングを受けさせたことも、非常に興味深い出来事でした。オラクルでも曲がりなりにも同じようなことを実施しているので、このIBMのモデルには非常に関心があります。

興味をお持ちのかたは、Jeff Nolanのライブ・ブログをチェックしてみてください。ライブはこちらです。 他にも紹介できるものがあれば、ここにアップしていきたいと思います。