デブサミに行ってきました。レポートその2(中嶋一樹さん編)


こんにちは。OTN事務局の徳道です。
先日アップした、株式会社翔泳社が主催するソフトウェア開発者/技術者のためのイベント「Developers Summit」(デブサミ)レポの続きです。

>デブサミに行ってきました。レポートその1 をお読みでない方はこちら


日本オラクルエバンジェリスト2人が登壇したセッション
「オラクルのエバンジェリスト2人が考えるクラウド・プラットフォーム」

今回は3つのアジェンダの最後、中嶋一樹さんが担当した・・・

  • 複数のストレージを仮想的に1つのストレージとみなして利用できるストレージ・グリッド(Oracle Automatic Storage Management: Oracle ASM)の紹介

について触れていきます。

当日のセッション内容の振り返りができるように、中嶋さんから書き下ろしで解説をいただきましたのでご覧ください!

(このブログ限定の情報ですよー^^)

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■ストレージ・グリッド(Storage GRID)
並べる。そして性能と可用性を確保する

サーバーに関しては安価なI/Aサーバーを並べて性能を出す、可用性を確保するという考え方は浸透してきています。
ただしストレージについては「性能が必要な場合はそれなりの機種を」という状態です。
Storage GRIDはストレージについても「並べる」という考え方を踏襲した、低コストでハイパフォーマンスなストレージ構成です。
Developers Summit 2010では、このStorage GRIDの仕組みについて解説しました。

Storage GRIDのメリットとは

Storage GRIDとは、ローエンドなストレージ製品を並列化するというストレージ構成です。
これによって、次のような機能とメリットを手に入れることができます。

  • ストレージを連結することで性能をスケールアウトできる
  • オンラインでストレージの追加/削除が可能
  • ストレージ構成の変更に合わせて自動的にデータの再配置(リバランス)が行われ、常に全ノードを使って処理を分散させる
  • 同性能のミッドレンジ、ハイエンドのストレージ製品と比較して圧倒的に低コスト
  • ストレージ筐体そのものの障害時にも、オンラインで処理を継続できる冗長性

必要なのはローエンドのストレージとOracle ASM(Automatic Storage Management)だけ

Storage GRID構成に必要なのは、ローエンドのストレージとASMというストレージ管理ソフトウェアだけです。

ASMはGrid Infrastructureというパッケージに含まれるソフトウェアで、Grid Infrastructure自体にはライセンスフィーは発生しません。Grid Infrastructureは以下のいずれかの条件を満たす環境で使用することができます。

  1. サーバーOSが、有効なOracle Unbreakable Linuxサポート契約でサポートされていること
  2. クラスタを構成する少なくとも1台のマシンに対して、Oracle Database Enterprise EditionまたはOracle Database Standard Editionの適切なメトリックを使用するライセンスが購入されていること
  3. 障害からソフトウェア製品を保護するためにOracle Clusterwareが使用されていること。前述の条件1または2を満たさない場合は、次の条件のいずれかを満たすときに、Oracle Clusterwareをソフトウェア製品の保護に使用できます
    • 保護されるソフトウェアがオラクル社によって提供されていること
    • 保護されるソフトウェアがOracleデータベースを使用すること

Storage GRIDはストレージのコスト、スケーラビリティ、耐障害性、運用スタイルを大きく変える画期的なシステム
Storage GRIDを採用すれば、低コストでパワフルなストレージ環境を手に入れることができます。性能が足りなくなれば、単にストレージを追加するだけでI/O性能が向上します。

ストレージを追加するほど障害時の縮退率が低く、耐障害性の高いストレージ環境になります。そしてストレージのI/O性能は、仮想化環境では特にボトルネックになりやすい箇所で、仮想マシンの集約密度を上げるにしたがって顕著になります。

つまりストレージI/O性能を安価に拡張できるということは、仮想マシンの集約密度を上げることにつながります。仮想マシンの集約密度が上がれば必要なH/Wや電力やデータセンターのスペースを節約できるうえ、CPU 単位で課金されるソフトウェアライセンス費用を大きく削減することができます。集約密度を上げることはTCOを大きく押し下げることになります。

Storage GRIDはストレージのコスト、スケーラビリティ、耐障害性、運用スタイルを大きく変える画期的なシステムです。

一度OTN-JapanサイトからGrid Infrastructureをダウンロードしてお試しになってみてはいかがでしょうか。

>Grid Infrastructureのダウンロードはこちら
<ダウンロード例:Linux ×86の場合>
1)OTNソフトウェアダウンロードサイトにアクセスし、Oracle Database 11g Release2の利用したいプラットフォームを見つけたら「すべて表示」をクリックします。

2)ページ上部のライセンス契約書内容を確認後、「ライセンスに同意する」にチェックをし、ページ中ほどにあるGrid Infrastructureの項目をクリックしてダウンロードしてください。


デブサミ関連情報

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興味が湧いた方は、ぜひダウンロードしてみてくださいね。

また、中嶋さんご自身のブログでは、今回紹介したストレージ・グリッドに関連するさまざまなエントリーが掲載されています。I/Aサーバーをストレージとして採用したお薦めのストレージ構成を紹介する記事や、これからOracle ASMを試してみたい方にはとっても便利な「Oracle Database 11g R2を手間無くインストールできる」Oracle VM テンプレートを紹介していますので、ご興味のある方はぜひ一度のぞいてみてください!

nkjmkzk.net
>サーバ仮想化環境でのお薦めストレージ構成
>Oracle 11g R2に最適化したOEL 5.4 VMテンプレート


最後に・・・

■OTNで公開中の、中嶋さんが執筆した仮想技術に関するコラム

>Oracle Database 11g R2の新機能とOracle VMで構築する次世代基盤解説【NEW】
こちらは昨年10月30日に開催されたイベント「Oracle VM Forum 2009」で講演した内容の採録記事です。
>プログラムやセッション内容に関する情報は、過去記事でご覧ください!

その他にも・・・

など、ぜひご覧ください。

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以上、デブサミレポートでした!
OTNでは、今回デブサミで登壇したエバンジェリストのお二人とともに、今後も皆様に役立つ技術情報をお届けしていきたいと思います。



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